ぶっし
持仏堂を建立した田舎者が、中に安置する仏像を買い求めようと都に出る。洛中を声を上げて仏師を探し求めている田舎者の前にあらわれたのは、仏師を名乗るすっぱ(詐欺師)であった。すっぱは、言葉巧みに田舎者の希望を聞き出し、一日で出来上がると約束する。
翌日、田舎者は出来上がった仏像を見るが、納得がいかない。修正してもらおうと仏師を呼びにいくと、あわてた様子の仏師が現れた。実はすっぱが仏像になりすましていたのである。田舎者が何度も仏像の修正を依頼するうちに仏師が仏像になりすます余裕がなくなり、ついに正体がばれてしまう。
後半のすっぱが様々な仏像に成り替わる様が面白く、またテンポが早くなりギリギリのタイミングで変わった印相を披露する様が、子供たちをはじめあらゆる世代の笑いを誘う。