NHK能楽堂収録

2024年09月30日

去る9月22日にNHKの依頼により、NHK大阪放送局で収録をしてきた。

「禅」からは、善竹忠亮と岡村和彦が出演した。
忠亮は大学院時代に、「NHKアーカイブス学術トライアル」というNHK所蔵のアーカイブを学術利用するプログラムに採用されて出入りした経験があり、その成果は論文は当然として、2022年8月放送の「初世・善竹彌五郎の魅力」の回でコメンテーターとしても一部披露する(これもスタジオ収録)など、ある程度馴染みがあるが、岡村和彦は今回初めての参加である。

演目は「萩大名」と「しびり」
「萩大名」
大名 善竹忠重
太郎冠者 善竹忠亮
庭の亭主 岡村和彦

狭い空間でも演じることのできる、いわゆる「お座敷狂言」であるが、今回は音声のみであるので、舞台上で同時進行する場面を敢えて整理して順番に話すようにした。

武智鉄二は茂山家と善竹家の「萩大名」を比較して善竹家(当時、茂山彌五郎家)の物を「善意の行き違いによる喜劇」とした。和歌一首を覚えられず、先方についても頓珍漢な発言を繰り返す大名。これを軽蔑しつつ仕えるのか、或いは、誠意を尽くして支えるのか。その結句が終盤、とうとう大名を見放す際の太郎冠者の一言である、と。

この一言は、実は旧い台本には記載されておらず、入れ詞(アドリブ)が定型になったものである可能性が高い。それ故、家による演じ方、解釈の違いに表れているのであろう事をかつて論文に書いたような記憶がある。詳しくは検索せられたい。今回の収録において、同句の効果は如何聞こえるだろうか。

おそらく一曲では時間が余るであろうとのことで「盆山」か「酢薑」の用意を言われていたので準備していったところ、思ったより時間が余らなかったとのことで急遽「痺痢」に変更。
覚えている曲でよかった・・。

どのような構成、編集になるかは放送されてのお楽しみである。

放送は
10月31日木曜日午前11時ー11時50分(予定)

NHKーFM「FM 能楽堂」
「萩大名」
大名 善竹忠重
太郎冠者 善竹忠亮
庭の亭主 岡村和彦

「痺痢」
太郎冠者 善竹忠亮
主 善竹忠重

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