トークセッションで言い落としたこと

2023年09月24日

【冷やし中華はじめました】

私は人前で話す時は必ずメモを作る。
昔は出たとこ勝負ドンと来いであったが、ある時期から即興が非常に苦手になり、とうとう大学院の発表の時に「全ての発言内容」を書いた読み上げ原稿を作成するように指導教官からアドバイスを受けた。
同時期に読んだ本にも同じ内容の事が書かれていた。自分の主張や言いたいことは勿論、その場、その時に求められるテンプレートがあるだろう、という考え方である。

そうは言っても、ライブの場でメモの全てを話すことは不可能である。
今回も数箇所の項目が日の目を見なかったが、その中でも、言いかかったことを少々言い落としたこともあるので、それを書いてみる。

今回、コーディネーターの労を取ってくださっているO氏。灘区民ホール時代よりお声がけくださる仕事は私の専門外の事が多い。周囲の方々が専門、本職で固めてくださる中、慣れない課題に1人オロオロすること多々。(今回もご迷惑をかけるなぁ)と。
セッション中にこの話を始めたのは、決してこの企画出演の経緯を説明するだけのものではなく、今回も本職のダンサーの方々に混じった時、明らかな異物感が稽古の録画からも感じられる、ということである。ステージの上では左右の動きが多いが、他の方々が東奔西走ならば、私は右顧左眄に右往左往である。

当然のことながら、これには基礎力の大きな違いがあるのだが、個人的には他に、大きな問題を抱えていて、それが2つ目、3つ目の言い落としである。

2つ目は関節の可動域との闘いである。
この絶望的なまでに狭い我が関節の可動域は、動かそうとするだけで大量のエネルギーを必要とする。周囲の方々が難なくこなして居られる動きが、私にはやっとのことである。つまりは要らぬところに力が入るのである。

3つ目は記憶力の減少と忘却力の増大である。
家業には元々、小手から先の動きが非常に少ない。「小手先」というとなんだかネガティブな印象かもしれないが、この場合は文字通り、肘から手先にかけてを型の主体にする事が少ない、という意味である。
ダンスである以上当然のことながら上半身、上腕の動きが多い。当方、動かし慣れていない部位を大急ぎで動かすのだが、どうしても身体的な記憶(の再生)が間に合わない。そして、近年の強化されてきている忘却力である。覚えたはずの身体的記憶がなかなか呼び覚まされない。しょっちゅう「あれ?次なんだったっけ?」である。右顧左眄してカンニングするが、しょっちゅう周囲の方々にご面倒をかけている。

洋の東西における身体性の対比が、今回のディレクターの企図なさって居られる処であろう事は推察するものである。しかしながら、明らかな「悪目立ち」にならないように努力する所存である。

そして、あれだけ即興が苦手であるにも関わらず(笑)である
最後の趣向は即興のポージングであった。
「冷やし中華」のお題には、店先のショーケースに置いてあるプラスチックの見本。
箸に挟み上げられた麺をイメージしてみたが、如何であっただろうか?

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